庭園の緑が美しく、随所に先代のこだわりが感じられる木造建築の家。
2代目であるクライアントからLDKのフルリノベーションのご依頼を受けてまず思ったことは、年月が経っても色あせていない化粧梁や建具は残したいということ。
それはクライアントも同じ想いだったようで、そこからスタートしたインテリアデザインは格子がキーとなり、全体的に直線的なデザインでまとめたが、有機的なデザインを取り入れて緊張感のない空間を目指した。
でも、これらの根底にあるのは常に「継ぐ」。家を継ぎ、ここからまた子どもたちへと継いでいく。
その想いを、素材と色で、また建築的に重要な筋交いもデザインに取り込んで表現。
織物壁紙、絹織物を使ったアートパネル、海洋性廃棄物をリサイクルして作られたカーペット・・・。
クライアントの家業は建設会社、この家だけでなく、家業も継いでいく。
それは持続可能な建築や環境を、次の世代につなげていくことに通ずる。